2020.08.30
リノベーション事例04:一見非常識だけど正解なオフィスのリノベーション


ご存知ですか?

一見非常識に見えるようなリノベーションであったとしても、
実際の利用シーンを考えるとそれが正解となることがあります。

今回ご紹介するリノベーション事例は、そんな非常識に見えるような
リノベーションばかりを行った物件です。

常識に捕われずに物件の価値を最大化する
Re:ie独自のリノベーションの考え方をお伝えしたいと思います。

 

【非常識1】玄関ホールをなくしワークスペースを最大化

1つ目の非常識は、玄関と中の部屋の間にある壁をすべて取っ払い、玄関ホールをなくしたことです。

通常、玄関ホールをなくすというリノベーションは行いません。

なぜならば、玄関を開けるたびに、
家の外から中が丸見えになってしまうからです。

しかしこちらは各フロア一戸の物件であり、
住民はエレベーターでの移動を基本としているため、

「玄関を開けたらたまたま人が外にいて、家の中が丸見えになった」
ということはありません。

気になるとしたら、玄関先で用事が済む
配達員などの来客にまで中を見られることくらいです。

オフィスとしての利用をする場合、中を見られることは
さしたる問題ではないでしょう。

利用する中で、どうしても気になる場合は
後付けで間仕切りを設置することも可能です。

このように総合的に考えた結果、
ワークスペースを広く取れることのメリットの方が圧倒的に大きいと判断し、
玄関ホールはなくすという選択をしました

 

【非常識2】洗面所の中にキッチンとトイレを配置

間取り図のビフォーアフターをご覧ください。

玄関ホールをなくすだけでは、台所が邪魔となり
玄関ホールをなくすことで得られたスペースが有効に活用できていません。

そこで台所を洗面所内に設けることで、
ワークスペースの広さと景観性を両立させました。

さらにトイレも同じように洗面所内に設けることで、
トイレの音が漏れにくくしました。

「台所を通らないとトイレに行けない」
というのは住居においては考えられない導線設計です。

しかし、オフィスにおいては台所を使うのは
来客時に飲み物を用意するときと、会食時の準備や後片付けをするときくらいです。

台所はほとんど使わないオフィスだからこそ、一見非常識に見える選択が最適解となるのです。

また、浴槽をなくしてシャワールームとすることで浴室のスペースを小さくし、
キッチンを広くする工夫も行いました。

シャワールーム、台所、トイレが一か所にまとまったことで、
排水管や給水管などの省スペース化が実現したという副次的な効果まで得られました。

 

【非常識3】アンティーク家具をふんだんに使った内装

こちらの内装は、オーダーメイド家具を使って
まるで外国かのような雰囲気を作りました。

「そこまでしたら、内装にとんでもないお金がかかるのでは?」
と思われるかもしれません。

しかし実際のところは、破損したオーダーメイド家具を安値で買い付け、
リメイクすることでコストを抑えています。

例えば玄関入って正面にあるシェルフは、
一部分のみが本物のアンティーク家具ですが、半分以上は新しい材料を用いて作られています。

新しい材料はエイジング処理を施すことで、
素人目には100%本物のアンティーク家具のように見えるのです。

また、よく見ればわかりますが、背面の板材を用いずに、
壁に直接棚板をつけることでリメイクコストも抑えています。

アンティーク家具においてもリノベーションの考え方を適用し、
価値の最大化を図っていると言えるかもしれません。

 

【非常識4】中が丸見えなベッドルーム

今回のリノベーションの中で、
一番非常識に見えるのが「中が丸見えのベッドルーム」かもしれません。

なぜベッドルームを丸見えの状態のしたのか。

ベッドルームの窓から見える外の景色を、
ワークスペースからも見えるようにしたかったからです。

こちらの物件は6階にあり、各フロア一戸の物件のため四方の窓からの景観がとてもよいのです。

外の景色がよく見えるように、ベッドルームとの間に設けた鉄製の仕切りには
透過性の高いガラスを入れています。(以下写真参照)

これでワークスペースから4方向どちらの方向を見ても外の景色が見えるようになり、
開放感あふれるオフィスとなりました。

ベッドルームが見えることで
空間をさらに広く見せる効果もあります。

来客にベッドルームも見せる覚悟が必要となりますが、
それと引き換えに圧倒的な開放感が手に入りました。

 

あとがき

実はこちら、Re:ie代表が事務所兼セカンドハウスとして実際に利用している物件です。

今回は自分が利用する前提だったため、大胆なリノベーションを思う存分に行いました。

Re:ieのリノベーションに対する考え方を肌で感じていただく
モデルルームとしての役割も果たしてくれています。

「大切な人と食事をするときに、ここを貸してほしい」
と言われたこともあります。

今現在は行っていませんが、将来的には
レンタルスペースとして貸し出すことも考えています。

中古住宅は、1つとして同じものはありません。

「住む方にとってどうするのが最適解なのか」と考え抜くことで、
物件の価値を最大化するためのリノベーションを
これからも行っていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。






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